2010年09月19日

インスリン物語

1921年、トロント大学のマクラウド教授の研究室で、外科医のパンディングと助手が膵臓からインスリンを精製することに成功。
その翌年には、トロント大学に入院していた重症の糖尿患者にインスリンを投与し、命が救われた。

1923年、この業績によりマクラウドとパンディングがノーベル医学生理学賞を受賞しました。

その後、長くに渡りブタの膵臓から抽出されたインスリンが糖尿病患者に使われましたが、1979年にヒトのインスリン遺伝子が解明され、翌年には遺伝子組み換え技術により、大腸菌でのヒト・インスリンの生産が試みられました。

「インスリン物語」には、今日の薬創りにも通じる全てのエッセンスが含まれています。

1つが病気の原因の解明、2つ目が治療薬の開発、3つ目が安全な治療薬の大量生産の開発です。



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2010年07月31日

薬の誕生物語  (1)

そもそも「薬を創る」とは一体、どんなことなのだろう?
創薬という研究分野が生まれた過程を見ながら、考えていこう。

普段はあまり意識することはなくても、たとえば風邪を患って熱や頭痛でウンウンうなさ
れたりすると私たちは健康のありがたさを実感します。

では、「病気」と「健康」の違いを知るところから始まります。
この違いを知って創薬のターゲットが定まってこそ、画期的な新薬も生まれてくるのです。

しかし、これまでの薬を見ると、なぜ効くのかが分からずに長年使い続けられ(!)、
近年になって初めてその作用メカニズムが分かった薬や、まったく偶然に発見された薬も
多いことが分かります。

偉大な発見というのは偶然にもたらされる場合もありますが、科学者たちの緻密な実験と
観察に基づくこも多いのです。

インスリンの発見は、始まりこそ予期しない偶然の発見からでしたが、その後の緻密な
実験の積み重ねてもたらされたものです。

糖尿病の人の尿は甘くて糖分を含んでいることは、昔から知られていました。
1889年に、ストラスプール医科大学のO.ミンコウスキーらは、別の目的でイヌの膵臓
を摘出したところ、そのイヌの尿は正常よりもはるかに多いグルコースを含んでいることを
偶然に発見し、糖尿病と膵臓の関係が初めて明らかになりました。




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2007年02月11日

僕たちが治験で死守しないといけないもの

不二家の事件で関係者から出てくる言葉に「認識が甘かった」という言葉がある。

これは「そういう認識が無かった」わけではない。
「それを認識していたけれど、対応が、考え方が甘かった」ということだろう。
知っていたけれど、まぁ、大丈夫、大丈夫ということか。


僕たちの治験で死守しないといけないのは「創薬ボランティア」の皆さんの安全だ。
まずはこれがないといけない。

「同意取得のための説明文書」にも「予期される臨床上の利益及び危険性」をきちんと書かないといけない。

また、治験は治験薬の「有効性」と「安全性」を調べるもので「有効性」だけを調べるものではない。

安全性は調べない、予期される危険性や新たに入手した安全性に関する情報を創薬ボランティアに伝えないとなったら、それはただの「人体実験」だ。


「治験」がかろうじて「ただの非人道的な人体実験」にならないのは、創薬ボランティアにきちんと「危険性」や重篤な副作用情報を伝えて、それでも治験に参加、継続してくださるかを常に確認しているからだ。

その「認識が甘く」て「予期される危険性」を創薬ボランティアに過小に説明したり「治験への参加の継続について被験者又はその代諾者の意思に影響を与える可能性のある情報」を入手したのに、それを創薬ボランティアに伝えないと、これは「倫理的でない」し「非人道的」でもある。


自分がそんな治験の創薬ボランティアだったらどうだろう?



僕たちが死守しないといけないのは「治験のスピード」でもなく「治験のコストを抑える」ことでもなく「製造販売の承認申請の予定されている期日」でもない。

今さら言うまでもないが僕たちが死守しないといけないのは「創薬ボランティアの安全性」だ。


ナショナルが自社のファンヒーターに欠陥があることが分かり、最悪の場合、死者もでる恐れがあるため、テレビや新聞でさかんに全国民に注意を促していた。
僕が驚いたことは日本の『全世帯』に注意を促すハガキを出したことだ。(当然、我が家にも来た。)


治験では「予測できない重篤な副作用」については、その治験に参加している全ての医療機関の長と治験責任医師に報告する義務がGCPで規定されている。


ナショナルが日本の『全世帯』に連絡したことと比べると、治験の関係者などの数は微々たるものだ。たかが知れている。


「認識が甘かった」という言葉は死者の前では何の意味もなさない。

「認識が甘かった」という認識を持つこと自体が許されるものではない。


もし、そういう組織にいたら、どうやってそういう風土、モラルの低下を改善できるだろうか?
どういう方法で、そんなことが起こらない組織にすればいいのだろう?


少なくともモニターの教育担当者としては「創薬ボランティアの安全性」を最優先に考えるモニターを育てるのが「死守すべき」ラインだ。



架空の製薬会社「ホーライ製薬」

臨床試験、治験を考える「医薬品ができるまで」


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2007年01月13日

『新たな治験活性化5ヵ年計(案)』達成のキモ

『新たな治験活性化5ヵ年計(案)』が発表された。
現在は、この案に対するパブリックコメントが求められているところだ。

この『新たな治験活性化5ヵ年計(案)』達成のキモは何と言っても、治験を活性化せずにいられない新薬の開発だ。


画期的な新薬の場合、黙っていても治験責任医師は治験に関心を寄せてくれる。
僕がかつて担当していた抗がん剤(当時としては全くの新薬理機序を持っていた)では、こちらから断らないといけないほど、創薬ボランティアの登録を熱心にしてくれた。


現行の治験で最も時間がかかるのは言うまでも無く創薬ボランティアの登録(参加)である。
もちろん、GCPに関連する手続きの煩雑さは否定しないが、それでも、その手の手続きは長引いたと言っても、数週間で終わる。
しかし、創薬ボランティアの登録はそうそう簡単にはいかないし、事実、治験依頼者が一番、頭を悩ませているのが「創薬ボランティアの登録促進」だ。

仮にひとつの病院で12人の創薬ボランティアを集めようとしたら、(治験薬のモノにもよるが)普通、半年以上はかかるだろう。
(治験の手続きで半年以上かかるものはない。)

もしその治験薬が画期的な効果を示し、新たな治療方法を提供するものであれば、1ヶ月で12人の創薬ボランティア登録も可能だ。

以上より、治験を活性化できるキモの第一位は「画期的新薬につながる種」の発掘だ。


次に大切な活性化要因は「人材の育成」である。(もちろん、GCPに関連する手続きの煩雑さは否定しない。その2)

今でも治験に熱心な先生(主に医師、治験事務局等の医療関係者を指す)は多いが、それでも十分とはほど遠い。
そして、今現在、治験に熱心な先生というのは「新GCP誕生」の頃からの方々だ。
あの混乱の中をなんとか、日本でも治験ができるようにご尽力していただいた人たちなのだが、その人たちの次の世代が、是非、もっと頑 張って欲しい。


『新たな治験活性化5ヵ年計(案)』にもチラッと書かれているが「治験受託実績のあるネットワーク事務局」を分析すると、そのようなネットワークにおいては「熱意があり、 周りとの協力関係を構築する指導的な中核となる人物・組織」が存在する。

すなわち「治験ネットワークを有効なものとするには治験を実施する“意義”を医療機関で共有すること」が大切であると、活性化5ヵ年計画(案)にもイミジクモ書かれている。

そして「ネットワークは形成されるだけでは治験の活性化にはつながらず、それを動かす目的と計画を持って治験を主導する中核となる人物、組織」が必要とも計画(案)では結論づけている。


僕もモニターの教育担当者として働いているが、人材(それも逸材)を育てるには最低でも5年はかかる。(ちょうど治験活性化と同じ年数だ。)

治験を活性化するには、国、独立法人、民間(治験依頼者も含む)が一致協力して(よってたかって)人材を育成することが必要だ。

そのためのノウハウ(優秀な人材を育てるノウハウ)はきっと民間のほうが持っていると思うので、是非、『新たな治験活性化5ヵ年計(案)』を達成するために、そのような民間の力を利用すると良い。

そのために費用が多少高くついたところで、インフラを使いこなせる人材がいないよりはましだ。
民間(製薬会社やCROやSMO)にしてみても、治験実施施設側に優秀な人材がいることを望んでいるので、きっと労を惜しまないだろう。


「画期的新薬の種の発掘」と「優秀な人材育成」、どちらも困難であり、しかも不可欠で、そして5ヵ年計画になる事業だ。



架空の製薬会社「ホーライ製薬」

臨床試験、治験を考える「医薬品ができるまで」




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2005年12月03日

★10万人の医師に質問できるQ&Aサイトと医療ニュース

医師たちが結構、真摯に質問に答えている(あたりまえか)。

10万人もいれば、そういう人だっています。

薬剤師もそうだし、どんな職業でも、真摯な人たちによって、その職業の質が決まってくるというものだ。


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医療関係のニュースとそのフォローが良い。

登録することにより、ホームページが見られるのも良い!

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2005年03月25日

治験というビジネス

一体どれだけのビジネス本が出ているかしらないが、多分、治験をビジネスにするノウハウを書いた本は、まだ、この一冊しかない。

米国最新治験事情ライフサイエンス選書

米国と日本では、まだまだ治験環境や、治験に対する考え方が違うので、上の本のようなことはできないが、参考にはなる。


さらに、もう一冊、出色なのが、個人がいかにしてCRC(治験コーディネーター)になったか、その後、どんな苦労をしたかを書いた次の本だ。

CRC(治験コーディネーター)という仕事


今後、治験というビジネスが“健康”に育って欲しいと思う。

そうでないと、新薬が世の中に出てこなくなる。

そのためにも、もっと治験をビジネスとして捉えた本が出てもいいと思うのだが。


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2005年03月17日

関西における治験

関西では何故か、治験が進まないという噂を聞いたことがある。

でも、今では大阪医師会が治験ネットワークを立ち上げた。

神戸などでも治験が定着しつつある。

全国に少しずつでも治験が定着しているようで、嬉しいぞ。

【送料無料商品】治験Q&A(2004)


【楽天ブックス】CRC(治験コーディネーター)という仕事


CRCのための治験110番Q&A(2004) ( 著者: 古川裕之 / 神谷晃 | 出版社: じほう )


GCPと新しい治験


臨床試験・治験用語・用例集―わかりやすい説明文書作成のために


患者のため、愛する人のため、家族のため、自分のために、もっともっと治験が定着して欲しい。


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2005年03月08日

治験総括報告書のあり方

治験が終わると、ムチャクチャ大変な「治験総括報告書」なるものを書く。
それは、ICHで決められたガイドラインなので、仕方が無い。
仕方が無いが、ガイドラインだけでは、一体に何を書いたらいいのか、初心者は全く分からない。

そんなときには、この本だ。
 ↓
治験総括報告書のあり方日本製薬工業協会医薬品評価委員会臨床評価部会


 
これだけで、全てが済むわけではないが、これがないと済まない。
特に、初めて治験総括報告書を書く人は必見です。

posted by ホーライ at 23:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験、臨床試験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月03日

【治験体制を整えるための準備(1)】 【治験体制を整えるための準備(1)】

治験を実施したい病院は、まず何をすればいいのか?
それは、何をおいてもGCPに適合した治験実施体制を院内で構築することだ。

まずは 「医師のための治験ハンドブック」(薬事審査研究会)位は読んでおく。

次に、病院に出入りしているMRに頼んで、治験とGCPについて、誰か詳しい人を会社から呼んで、説明してもらえないかと頼む。
すると、たいてい、MRは社内の臨床開発部とか、臨床推進部とか、そのような名前の「治験実施部隊」に、応援を依頼する。
そして、それなりの担当者が説明に来ると思う。
そこで、あれこれ質問してみる。。。。。。

このような感じで、とりあえず、治験とGCPと言うものの大枠の知識を持つことが近道だ。
それから、次のステップに進む。
posted by ホーライ at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験、臨床試験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月25日

今、波乱の真っ只中!

製薬業界は、今、波乱の真っ只中だ。
これを追い風と捉えるか、逆風と捉えるかで、ビジネスチャンスは大きく変わる。

これまで治験のデータを重視してきた行政が、市販後の安全性と有効性を重視する方向に転換してきた。
これは、全く正しい。

なにしろ、治験は限られた患者さんにしか使われていない。
それよりも、市販後になって、広く患者さんに使われるようになってからの有効性と安全性データのほうが、臨床の現場に即していると言える。

あなたは、これをどう捉えますか?

僕は逆風であると同時に、追い風でもあると思います。

法律も制度も知恵をつかったものの勝ち!

posted by ホーライ at 00:07| Comment(2) | TrackBack(1) | 製薬業界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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